世界が終わる日が休日ならいいな

好きなものを好きなときに好きなだけ

ミュージカル「キューティ・ブロンド」を観たよ

【OMG! オーマイガー!マジでヤバい!】


「キューティ・ブロンド」公式サイト

とにかくとにかくハッピーで最高なミュージカルだった!!
初演のときは退職直前のふらふら状態で観に行ってメンタル全回復して帰ったんですけど、今もちょっと疲れてる状態で観て最高に幸せになって大泣きしながら帰ったよ……いいミュージカルだ……。
「仲間のエルがプロポーズされる!」というのを心の底から喜べるΔNUのメンバーに早速ぼろぼろ泣いてしまった。誰も妬まない羨まない、喜んでエルが最高の状態でプロポーズを受けられるように応援する、しかも心の底から。
誰も妬まないのはあると思うんですよ、でも「羨まない」って女子大生ですごいなって思ってしまった。そのくらいお似合いのカップルで、エルがみんなに対して誠実だったんだな、って思ったんですよ。
なのにワーナーときたら……!
軽薄さと真面目さが絶妙で、植原くんのワーナーすごくよかったなぁ。彼は彼なりに親のことを考えていたとは思うんだよね。出した結論は軽率だけど。
「金髪はおバカなウサギちゃん」という偏見や先入観とエルはずっと戦っていたけれど、さーや自身も「松田聖子の娘」という先入観とずっと戦っていたんじゃあないかなってぼろぼろ泣けてしまった。いつだか「母は天才タイプだけど私は違う」というようなことを言っていたと思う。エルが受けていたものとは別のものだけど、エルとさーやはやっぱり似てるんじゃあないかな。それは最後に自分で自信を持ってプロポーズするところまで。いやさーやがプロポーズしたかは知らないんだけど笑。
さーやもエルも自分の信念を貫きながら、どんどん成長していくのが本当に元気をもらえる。さーやがエルで本当によかった。初演を観たときからずっと思ってた。素晴らしいカンパニーで、シュガーじゃなくてありゃまと思ったくらい。でも平方くんのエメットほんとによかった。
さーやを舞台役者として認識したのは新感線の「薔薇とサムライ」からなんだけど、そのころからコメディエンヌとして、ミュージカル女優として随一の勘を持っている人で、さらに研ぎ澄まされたものを見せてもらえてとても嬉しかった!
あと、わたし樹里ぴょんのお芝居も歌もとても好きなのだけど、ケルティック風の曲を情感たっぷりに歌い上げる樹里ぴょんはさすがの一言!傷付いた過去を持って、それでもひとりで生きてきたポーレット、だからこそエルが黒染めしようとするのを優しく止められるんだよね。素敵だなぁ。そのポーレットが素敵な人と結ばれて素敵家庭を築いているの嬉しいなぁ。
ビバリーヒルズのΔNUのメンバーがコロスとして登場するのもエルが地元の友人たちを頼りにしているということだと思うし、その子たちがエルの大事なときに応援しに来てくれるのも素敵なことだと思ってまた泣けたよね……いい子たちだ……。
ハーバードロウスクールの子たちもいい子たちで、ヴィヴィアンは最初でこそエルのことが嫌いだったろうけど、エルの努力をきちんと見て認めていて、教授にセクハラを受けたときにきちんと庇って怒ってくれるんだよね。エルの努力がセクハラで消されてしまうのが、女性としても友人としても許せなかったんだろうな。それでちゃんと怒ってくれるのもヴィヴィアンの強さだよねぇ。教授に逆らったらどうなるか分からないのにね。これはヴィヴィアンだけじゃなくてイーニッドも。そうやって「NO!」を言えることは現代と通じるところだし、「metoo」と通じるものもあるよね。

それなのにカンパニーの上のほうの人のあのふざけたツイートはなんなの?歓声はまだ置いといて、「おっぱいって叫んでいいよ!」ってふざけてる。あの曲の訳詞が「かがんでおっぱい」なのも納得いってないのに、そんな馬鹿みたいな話ある?そもそもタイトルが「キューティー・ブロンド」なのもいまだにもやもやしてるのよ……「ただのブロンド」から「リーガリーブロンド」になるのが最高なのに!
このことがあったから余計に、「かがんでおっぱい」から(これは映画がそうだから仕方ないんだけど)「ゲイかヨーロッパ人」に繋がるの、端的に言って地獄だった……ゲイをオープンにしているアーティストのCDを持っているからゲイってのも地獄……これは友人が言ってたけど、原作映画が20年前のものだからある程度しょうがないところもあるのかな。「ゲイかヨーロッパ人」はかなり考えないといけないと思うけど、「かがんでおっぱい」はどうにかできると思うので再再演までに検討してほしい。文句はいっぱい出てくるな。

文句もたらたら言ってしまったけれど、本当に素晴らしいミュージカルなので再再演本当に待っています!!


2019.03.14.

宝塚花組「CASANOVA」を観たよ

花組の誇る大輪の花、有終の美】

星組さんが観られなかったので、なんと11月のファントムぶりの宝塚……5ヶ月近く開いたなんて嘘でしょ……ところでどちらも一本物だったのでそろそろレヴューが観たいです。

異例の新公ヒロイン未経験、なおかつ「総合さん」の異名を持つゆきちゃんこと仙名彩世ちゃん。べーちゃんこと桜咲彩花ちゃんと並んで安定した歌唱力、お芝居、ダンス、そしておっとりとしながらも強さを感じる瞳がとてもとても魅力的でした。
そんなふたりが揃って退団することが発表されました。
観劇するときはほとんど情報を入れない(予習をしない)で観に行くので、ゆきちゃんの侍女がべーちゃんなことに気が付いたとき無性に泣けてしまった。
お衣装が全部可愛くて、ポスターのドレスは実際観るともっともっと華やかでとっても素敵だった!ほんとに目が足りないくらいだったな〜いつも思うけどお衣装を網羅した写真集出してほしい。

お話は予定調和でよくあるお話で想像の域を出なかったな。でも奇をてらうよりもスタンダードなものをしっかりきっちりやるほうが一回の満足度は高いなぁ。続けて観ることを思うと……うーん悩ましいですね。
ただスタンダードなぶん、登場人物たちが魅力的でないと飽きちゃうんだけど全然飽きなかった。生田先生の演出も大劇場デビューがアレだったのでいつも苦手意識があるんだけど、Shakespeare以降はそんなことないのでそろそろわたしが情報アップデートしたほうがいいですね。あと生田くんきっとおたくだから我々のことよく分かってくれる笑。猫ちゃんとか笑。
立ち見で観たんだけど、「あそこが見えない……」のようなストレスもなく、イケコのような派手さはないんだけどメリハリがあって演出も飽きなかったです。娘役の使い方が上手いと思ったな〜「動く大道具」に近いとは思うんだけど、カサノヴァへの侍らせ方が上手い。しろきみちゃんの男装もかわいかったぁ!
今回わたしがいちばん好きだったのは、柚香光ちゃんと鳳月杏ちゃんの夫婦でしたね……!最高に萌えた……かわいい……突っ張っていても結局お互いのことを愛しているんだわ……かわいい……全曲中いちばん好きなのもちなつのソロでした。
そう、そんな音楽、どれもめちゃよかったな〜とてもメロディックで、気が付いたらぼんやりだけど口ずさんでるもんな。序盤の自己紹介ソング(娘役さんたちが赤いドレスで踊ってるやつ)とかも好きだった。
先述したけど、お衣装がほんとにどれも可愛くて目が足りなかった〜!一瞬しか着ないドレスもめちゃくちゃ豪華で、宝塚らしくとても贅沢で最高でした。ドレスが惜しみないのが宝塚。
いつも安定したお芝居で芝居を締めてくれていたじゅりあちゃんが退団するのも寂しいね。可愛いじゅりあちゃんとかっこいいあきらの組み合わせ最高だった……あきらたまらんな キザでかっこいい男役だよあきら たまらん。
宝塚はどの組も「男役」「娘役」を観る満足度が一定以上は約束されているので安心して観られますね。どんだけつまらなくてもパレードで満足するのもいいですねwww(悪く言えば誤魔化されてるんだけど)(それに驕らずいいものを作る気概は見せていただきたいけどそれはまた別の話)

わたしが宝塚を好きになったころ主演娘役さんは研8や研9あたりで就任することが多くて、就任学年が下がること自体は悪いことではないけれど、ゆきちゃんの学年で「遅咲き」と言われるのは違和感がある。「男役10年」の世界であるのも分かっているけれど、娘役も職人芸であるわけで、じっくり育った娘役さんたちが素敵に輝いてほしいと思う。
素敵なお芝居とお歌でしっかり魅せてくれたあとのデュエットダンスが本当に素敵だった。ゆきちゃん、本当に素敵に輝いてくれてよかったなぁ、最後の公演がいい公演で本当によかった。素敵な娘役さんが素晴らしい笑顔で旅立つのはとても嬉しいこと。あと少しの宝塚公演、東京公演も怪我なく過ごせますように。


2019.03.04.

映画「七つの会議」を観たよ

【黒幕は誰だ?】


「七つの会議」公式サイト

め、めちゃくちゃ面白かった……!
俳優さんたちが演技力で殴ってくるのも最高だし、その俳優さんをそんなカメオで使う!?っていうくらい贅沢な使い方も最高だった。いやぁよかった……!鹿賀丈史が仔犬に見える北大路欣也の迫力も素晴らしかった……。

野村萬斎演じる八角さんが20年前から突如成績が下がったのはなぜか?八角さんが隠していることは何か?そしてそれを指示した黒幕は?と進んでいく話、あまりにも最高でしたね……面白かった……話のあちらこちらにいろんな伏線を仕込んでいて、それが後で回収されたときの驚きも楽しかった!
池井戸さんのお話は半沢直樹をドラマで見ただけなんですけど、昭和然とした古い体質の企業のお話って面白いな……「御前さま」って呼ばれる北大路欣也さま最高では……?欲望と陰謀が蠢くムラ社会……自分とは関係ない世界だからめっちゃエンタメとして見てますね。面白かったなぁ。
派手な設定や映像的な派手さはなくてもわくわくハラハラさせてくれる映画やドラマは大好きです。洋邦問わず。この映画はまさにそんな感じで、徹底的に地に足の着いた設定、展開、結末だったと思います。展開に無茶がなくて、脚本がずっと地続きなのがよかったなぁ。いやほんとは無茶なんでしょうけど。無茶に見えないのがすごい。
原作とはかなり構成が違うらしいので読んでみたいな。読むか。

あと顔のアップが多い演出だったんだけど、皆さまのお肌がつるつるなのも凄かったです。皆さまおいくつ……?あまりにも肌が若い……つるつるだった……。

2019.03.01.

映画「十二人の死にたい子どもたち」を観たよ

【誰が殺した十三人目】


「十二人の死にたい子どもたち」公式サイト

正直なところ、予告で煽りすぎだなという感は否めなかったな。「予想外の展開」とか「圧巻のラスト」とか言ってたけどそもそも題材からして展開は読みやすいし、きっちり見てたら伏線も分かりやすいのでラストの想像はつく。十二人の「死にたい」理由も想像の域を出ない(ここは本題ではないとは思うけど)。あと「死にたい」という言葉の持つ強さに頼った感じだった。ある意味で予定調和なわけだけれど、がっかりしたと言うわけではないし飽きなかった。そのあたりは監督のさすがの手腕だと思います。

というわけで、キャストの若い力が強かった作品でした。台詞の言い回しなんかはある程度訓練でどうにかなるけれど、表情や目の演技というのはなかなか修得できないものだと思っている。この映画に出ていた12人は、台詞の巧拙はあれどそういった演技が上手な子ばかりだったと思う。個人的には橋本環奈ちゃんがとても好きなのだけど、環奈ちゃんの顔の美しさに平伏すしかないし、それに加えて昏く燃える瞳が印象的でした。
他のキャストたちも「死にたい」わけだからそれぞれ絶望を抱えていて、そういう先入観も多分にあるだろうけど「あぁなにかあるんだな」って思わせるには十分な瞳や表情をしていたとおもう。

残念ながら脚本が好みではなかったので、「将来有望な子たちのプロモーションビデオ」を観た気がします。それなりに面白かったけど1回でいいかな。

個人的にはBABY, STARS SHINE BRIGHTのA/Pがお衣装協力してたのは眼福でしたね!!

2019.01.30.

七海ひろき宝塚千秋楽、美弥るりか退団発表に寄せて

個人的な事情とチケット事情により、かいちゃんの退団公演を観劇できなかった。悔しい。
贔屓が宙組88期だったこともあり、かいちゃんのことは下級生のころからずっと観てきていた。みーちー大にくっついて回る弟みたいだったかいちゃん。抜きん出てお芝居が上手いわけでも抜きん出てお歌が上手いわけでもなかった。とても平均的。けれど憎めないキャラクターとかわいい笑顔、その華やかさで舞台では気が付いたらよくかいちゃんを見ていた。贔屓の退団でしばらく宝塚から離れていて、戻ったのは2012年の銀英伝。あんなに可愛かったかいちゃんが素敵な男役になっていて驚いたし嬉しかったけど、舞台を下りたかいちゃんはわたしの知っているかいちゃんと変わらなくて少しほっとした。ちーちゃんの退団を伝えられたときに荷物を放り出してじたばたして嫌がったという話はかいちゃんらしくてめちゃくちゃ笑ってしまった。
星組に組替えしてしばらく、気が付けば「ひろきのお兄様」なんて呼ばれていてこれもめちゃくちゃ笑ってしまった。でも星組にいるかいちゃんを見てたらそれも納得した。なんだか不思議な気分だった。

贔屓のいた宙組以外のことは当時まったく詳しくなく、他の組は「主演コンビと二番手三番手男役、二番手娘役まではなんとなく知っている、下級生は顔が好みの子は名前は知らないけど顔は覚えている」くらいだった。なのでみやるりのことは顔だけ知っている状態で、きちんと認識したのは2012年以降のことだった。あっあのかわいい顔の子だね、そうだそうだ美弥るりかさんだ〜って感じ。そのときにはカチャも月組に組替えしており、同期ふたりで競い合ってどんどん素敵な男役になっていくのが見ていてわくわくした。
みやるりのお芝居がとても好きで、1789のアルトワ伯の幻想的な美しさ、続く舞音の台詞がない演技を見て鳥肌が立ったのをよく覚えている。その後のグランドホテルでのクリンゲラインやエリザベートのフランツ、とても魅力的な人間だった。

かいちゃんもみやるりも、身体の線は細いけれども舞台の上ではそんなことは感じさせずに凄まじい存在感を放っていた。
きっとトップになる、時間はかかるかも知れないけれどきっと大きな羽根を背負って階段を降りてきてくれるんだろうとぼんやり思っていた。
もう何人そんな男役を見送ってきただろう。二番手三番手で退団していく男役を、何度泣きながら見送ってきただろう。
今回のことだけじゃあない。決断をしたのは最終的には本人、タイミングだってある。毎年おおよそ20人程度の男役が入団するけれど主演男役はたった5人で数年は替わらない狭き門。それでも、いい男役が辞めていくのは劇団の人事に他ならない。きっともっと活躍できる男役はいっぱいいた。生徒が悪いんじゃあなくて、人事が悪い。って宝塚ファンになった当初から思ってる。わたしよりもふたりのファンの方のほうがもっと思うのかもしれない。もっともっと上で輝いてほしかった。
タカラジェンヌというのは、当たり前だけれど在団中しかそう在れない。退団したらそれでおしまい。その短い期間だけ。その短い期間で全てのタカラジェンヌが納得のいくような人事ができるわけないのも分かっている。けれど、できるだけ多くのタカラジェンヌが、できるだけ多くのファンが悔し涙ではなく納得のいく笑顔と涙で宝塚歌劇団を卒業できればいいと思う。

かいちゃんもみやるりも、紆余曲折ありながら舞台の上で美しく輝く、素晴らしい男役だと思います。かいちゃんはあと東京公演、みやるりはお稽古と宝塚公演も東京公演も残っている。
東京公演の千秋楽まで、とにかく悔いのないよう過ごしてほしい。もちろんファンの皆さまも。最後までしっかりと見送ってあげられますように。

映画「刀剣乱舞」を観たよ

【史実と創作の狭間、その浪漫】


映画「刀剣乱舞」公式サイト

「特撮好き?」「特別好きなわけじゃないけど電王は見たよ」「とうらぶ観て」などという雑なプレゼンを受けたので観てきました。いやそれだけじゃないですけど笑。
「髑髏城の七人」を拗らせているわたしとしては花ドクロで蘭兵衛を演じた耕史さんが信長を演じるというのはあまりにエモすぎた。情報だけでエモい。最高ですね。

とうらぶはアプリ配信と同時に少し、ステを少し、ミュをほんの少し、今回出演の刀たちは知っている、という履修状態で観たのですがめちゃくちゃ面白かったですね!?最初の世界観説明も要点をさっくり簡潔に説明するのめちゃくちゃ上手くない!?
特撮もほんとに電王全部見たのと世間一般的なふんわりした知識しかないんですけど、脚本も演出もあっめっちゃ特撮!って何度も思ったし、展開もハラハラドキドキしまくった100分でした。時間の使い方がうまい〜!!
多少でもステとかで見慣れてたからなのか、武将の隣に刀剣男士がいるのも違和感(というか拒否感?)がなくて自然に見られたのも良かったです。自然に見られたというか、違和感であることは間違いないんだけど、その場にいるのがおかしくないというか。あれ不思議だな〜画面演出の効果もあるんだろうなぁ、色味とか。めっちゃ適当に言ってるけど。

以下ネタバレあるよ〜

ステの初演は織田の刀たちの業とかそういうものだったけど、それよりは「刀剣乱舞」そのものの根底にある「歴史改変」に関する話でしたね。
織田信長が本能寺で死んでいなかったら」という仮定のもとに進んでいく脚本と織田信長山本耕史豊臣秀吉八嶋智人の両名の芝居が素晴らしかった……!あのふたりの芝居が「時代劇」であることにリアルを生み出し、だからこそ創作の歴史が現実なのではないかと思ってしまう。
観る側が「織田信長は本能寺で死んだ」という知識を持っているという前提、しかもおおよその日本人は知っているからこその脚本でもあったよね。一応さらっと説明しているから知らない人でもそう理解するし。それを軸にした脚本があまりにも上手い。
でも歴史って結局憶測を交えた一種の創作だと思っているので、こういう「一般的に認知されている歴史の隙間を埋める創作」ってものすごく大好きなんですよね……!現実と創作の境界線が曖昧なのが好き。余談だけど新感線が好きなのはそういうところもある。

そして刀剣男士たちも「史実」であり「創作」であるじゃないですか。存在そのものが浪漫そのもの。
ゲームは合わなかったんだけど(ゲームできないマン)、その設定はほんとに上手いなぁと思う。さらに浪漫を感じるのはアニメどちらも舞台もミュージカルも「違う本丸の話」であるということ。自分の本丸が手元にあるゲームならではの設定で浪漫ですよねぇ。メディア展開が上手い。
キャストはステに出演してた子たちメインだけど、違う本丸のお話なんだろうなぁとすぐ理解できたのは役者の力だよね。同じ役なのに少しずつ違う役作りになるの、脚本の違いがあるとはいえすごく大変だろうな。三日月宗近役の鈴木拡樹くんはステの初演や再演(続演だったかも……)でも違うお芝居だったし、へし切長谷部役の和田雅成くんも激情に駆られるステのお芝居と激情を隠し持つ映画のお芝居と違って素直に感心した。すごい。
脚本の伏線や、みんなのお芝居の伏線を観たいのでもう一度観に行きたいな。

2019.01.24.

ミュージカル「スリル・ミー」成河×福士ペアを観たよ

【もう我慢出来ない!どうか僕のほうを!】


さて、新ペア。ふたりの安定した演技力は知っていたので安心して期待だけしていました。
成河私が「座って構いませんか」って言った瞬間に鳥肌が立った。私はただ息をしているだけ、死んでないから生きているだけなんだ、ってぞくぞくした。目に涙を溜めて歌っていたのも印象的だったな。思い出すのも苦しい。
福士彼はたぶん学校でもそこそこ人気者なんだろうなと思った。「友達がいるんだ」は本当なんだろうなって笑。でも超人というわけではなくて、凡人なんだよな。自分が超人じゃないことは分かっているから強がった言動をする。序盤のマッチを投げるシーンなんか特にそうじゃないかなぁ。わざと届かないところに投げて私に拾わせて、自分のほうが上だと認識する、認識させるというか。血の契約を交わしたあとの契約書を弾く強さでも思ったな。あと終盤、逮捕されてからの取り乱しぶりも完全に凡人だった……。
でも成河私はそれを上回る超人ぶりで、いっそ二重人格だと思えるくらいだった。小心者で臆病な私、超人な私。ところどころ笑みをこぼすのが怖かったな……完全なるサイコパスじゃん。でもそれに彼が気付かないのもまた凡人という感じがしましたね。たまに強く彼に対して強く出て、彼がかなりその通りに動くのがまた面白かったですね。このペアは確実に私が操ってたよねぇ。
成河さんが小柄なこともあり、もしかしたら私は幼い頃いじめられていたのかなぁとも思った。それを彼が助けたのかな。それから彼は私のヒーローだったのかも。いやでも成河私はいじめられてても気にしなさそう……。いじめられていてもいなくても、幼い頃から一緒だったから、ひとりでやったほうがいろんな可能性があるのに彼の「超人ごっこ」に付き合ってたのかなって。彼のプライドを傷付けないように狡猾に。言い返すときも絶妙なラインを保って彼が頷くように。というか現在の私との演じ分けが素晴らしすぎない……?びっくりしたまるで別人……。「いや、もうこれ以上思い出したくありません」の苦しそうな声、もしかしたら私は彼のことを忘れていっているのかもしれない。それを妄想で塗り固めているのかも。それを認めたくなくて「思い出したくありません」なのかも……って思った。

「待ってたよ!」〜「スリルミー」の演技が初めて観る演出でびっくりした!あんなに焦った私は今までの公演でも初めて観た。彼が迎えに来てくれたと思ったら一瞬で掻き消えてしまった、迎えに来た彼はやっぱり私の幻想にしか過ぎなかったんだろうな。
観終わったあと、韓国ペアを観たときの感情を思い出したなぁ。私の主張が強いスリルミー。搦め手ではなくてわりとごりごり押していく感じ。マチネが観られなくて、一度しか観られなかったの悔しいなぁ。また観たい……。

写真は絶対ポートレイトだよね笑。彼が私に撮らせたやつ笑。


2019.01.20. 16:00