世界が終わる日が休日ならいいな

好きなものを好きなときに好きなだけ

映画「アイ・フィール・プリティ!」を観たよ

【私の価値を決めるのは私!】


「アイ・フィール・プリティ! 人生最高のハプニング」公式サイト

わたしは昔から容姿にコンプレックスがあって、いわゆるスクールカーストでは底辺にいたし、とにかく自分に自信がなくてしょうがなかった。別に親に貶されて育ったとかそういうわけではない、むしろ褒められて育って来たのに我ながら卑屈だなと思う。
そのくせ人前に立つのはわりと好きなほうで、演劇をけっこう真剣にやっていた。今思うと「周囲に認められたい、家族ではない人に褒められたい」を形にしたものだったのかも。
とにかく、劇団で受けていたレッスンで、「自分のそういうところも自分の個性で素敵なことだって受け入れられたら、もっと素敵な表現ができるようになるよ」と言ってもらったことがある。その先生は自分が美女だと錯覚していたころのレネーと同じくらい自信に満ち溢れてポジティブな人で、言ってもらったときに思わず泣いてしまったのをよく覚えている。

さて、この物語の主人公レネーはわたしと同じく容姿にコンプレックスがあり、自分に自信が持てない人だった。けれどひょんなことから自分の姿が絶世の美女に見えるようになる。(それ以前に撮った写真なんかは元の姿のままに見えているのは面白いなと思った)
そんなのさぁ、本当に夢だよね。寝て目が覚めたら大富豪になっていないかなとか、憧れのあの子と同じ姿になっていないかなとか、何度思ったか知れない。けれどここは現実だしそんなことは有り得ない。
有り得ないけど、レネーはそんな奇跡を自分の頭の中だけだけど手に入れて、自信に満ち溢れていく。コンプレックスの裏返しからか、レネーは外見至上主義なところがあるからだ。現実にはレネーの容姿は一切変わっていないのに。
それでもやっぱり、自信に満ち溢れた人は美しい。芸能人でも最近この人お仕事充実してそうだな、と思うとみるみるうちに美しくなっていく。それは容姿の問題ではなくて、月並みな言葉で言うと内面の美しさなのだろう。
レネーは自分が受け入れられているのは「私が絶世の美女だから」と思っているけれど、周囲は外見ではなくレネーの内面に惹かれていく。友人が言った「あなたが面白くて優しいから」というのはまさにそういうことだ。
逆ナンしたイーサンだってそうだ。最初は「君が怖くて断れなかった」なんて言っているけれど、自信に満ち溢れるレネーを見てどんどん惹かれていく。それでもレネーは「イーサンは自分の外見が好き」なのだと勘違いしたまま。元に戻ったあともそれで別れを切り出したりする。
レネーが知り合った美女でさえコンプレックスを持っている。人にはそれぞれ自分しか知り得ない悩みがあるものだ。それでもそれに劣等感を感じる必要はない、自分は自分のままで最高なのだというラストシーンは恥ずかしくなるほどまっすぐで、だからこそ背中を押してもらえる。
結局は、自分の価値を決めるのは自分自身なのだ。自分の考え方が、行動が、態度が自分を形作るということ。例え誰が認めなくても自分が自分を認めないでどうするんだろう。
そして主題歌がMeghan Trainorというのも最高だった!同じメッセージを伝える彼女が起用されるのは当たり前と言えば当たり前だけど。
Lady GAGAの「Born This Way」しかり、FROZENの「Let It Go」しかり、グレイテストショーマンの「This Is Me」しかり、「ありのままの自分でいる」メッセージは強烈に胸に刺さる。何度落ち込んでも、自分に何度も何度も言い聞かせている。

「自分のそういうところも自分の個性で素敵なことだって受け入れられたら、もっと素敵な表現ができるようになるよ」。
素敵なことだと受け入れられているかは返事ができないけれど、今わたしが自分の個性だと受け入れられているのはあの言葉があったからだと思う。いつか、素敵なことだと受け入れられるようになれればいい。

2019.01.08.
(2019年映画初め!)