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映画「刀剣乱舞」を観たよ

【史実と創作の狭間、その浪漫】


映画「刀剣乱舞」公式サイト

「特撮好き?」「特別好きなわけじゃないけど電王は見たよ」「とうらぶ観て」などという雑なプレゼンを受けたので観てきました。いやそれだけじゃないですけど笑。
「髑髏城の七人」を拗らせているわたしとしては花ドクロで蘭兵衛を演じた耕史さんが信長を演じるというのはあまりにエモすぎた。情報だけでエモい。最高ですね。

とうらぶはアプリ配信と同時に少し、ステを少し、ミュをほんの少し、今回出演の刀たちは知っている、という履修状態で観たのですがめちゃくちゃ面白かったですね!?最初の世界観説明も要点をさっくり簡潔に説明するのめちゃくちゃ上手くない!?
特撮もほんとに電王全部見たのと世間一般的なふんわりした知識しかないんですけど、脚本も演出もあっめっちゃ特撮!って何度も思ったし、展開もハラハラドキドキしまくった100分でした。時間の使い方がうまい〜!!
多少でもステとかで見慣れてたからなのか、武将の隣に刀剣男士がいるのも違和感(というか拒否感?)がなくて自然に見られたのも良かったです。自然に見られたというか、違和感であることは間違いないんだけど、その場にいるのがおかしくないというか。あれ不思議だな〜画面演出の効果もあるんだろうなぁ、色味とか。めっちゃ適当に言ってるけど。

以下ネタバレあるよ〜

ステの初演は織田の刀たちの業とかそういうものだったけど、それよりは「刀剣乱舞」そのものの根底にある「歴史改変」に関する話でしたね。
織田信長が本能寺で死んでいなかったら」という仮定のもとに進んでいく脚本と織田信長山本耕史豊臣秀吉八嶋智人の両名の芝居が素晴らしかった……!あのふたりの芝居が「時代劇」であることにリアルを生み出し、だからこそ創作の歴史が現実なのではないかと思ってしまう。
観る側が「織田信長は本能寺で死んだ」という知識を持っているという前提、しかもおおよその日本人は知っているからこその脚本でもあったよね。一応さらっと説明しているから知らない人でもそう理解するし。それを軸にした脚本があまりにも上手い。
でも歴史って結局憶測を交えた一種の創作だと思っているので、こういう「一般的に認知されている歴史の隙間を埋める創作」ってものすごく大好きなんですよね……!現実と創作の境界線が曖昧なのが好き。余談だけど新感線が好きなのはそういうところもある。

そして刀剣男士たちも「史実」であり「創作」であるじゃないですか。存在そのものが浪漫そのもの。
ゲームは合わなかったんだけど(ゲームできないマン)、その設定はほんとに上手いなぁと思う。さらに浪漫を感じるのはアニメどちらも舞台もミュージカルも「違う本丸の話」であるということ。自分の本丸が手元にあるゲームならではの設定で浪漫ですよねぇ。メディア展開が上手い。
キャストはステに出演してた子たちメインだけど、違う本丸のお話なんだろうなぁとすぐ理解できたのは役者の力だよね。同じ役なのに少しずつ違う役作りになるの、脚本の違いがあるとはいえすごく大変だろうな。三日月宗近役の鈴木拡樹くんはステの初演や再演(続演だったかも……)でも違うお芝居だったし、へし切長谷部役の和田雅成くんも激情に駆られるステのお芝居と激情を隠し持つ映画のお芝居と違って素直に感心した。すごい。
脚本の伏線や、みんなのお芝居の伏線を観たいのでもう一度観に行きたいな。

2019.01.24.