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舞台「検察側の証人」を観たよ

【さすが傑作ミステリー!芝居巧者が集まる緊張】

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面白かった〜!!!!!
どんでん返しに次ぐどんでん返し!最後のどんでん返しはさすがにちょっと蛇足では……?と思わんでもないが何度観ても新鮮にぞっとしたし、新鮮に驚いた。さすがミステリーの傑作!
初日記事が出たころだったかな、タイトルが「検察側の証人」だからあさこタイトルロールじゃん!って言われてるツイートあってちょっとわろてた笑。でもそれに対する十分なものを観せてくれたな〜ってすごく満足した!芝居巧者のあさこを久し振りに観られて嬉しかったな。
そして今回の一番のお目当てはお察しの通り成河さんだったのですが、相変わらず発声と滑舌の鬼……最近観たなかで一番難しい台詞が多かったと思うんだけど、相変わらず一言一句きれいに聴こえる。とんでもねぇな〜!?
と言いつつ、これは成河さんだけじゃなくて全員そうだった。これだけとんでもない役者ばっかりよく集められるよねほんと……いい役者はいっぱいいる。
一切の無駄がない照明と音響も素晴らしかった!要所要所で色と強さを変える照明、ここぞという場面で残響する声。動きだって無駄がない。とにかく無駄なものが排除されて研ぎ澄まされていたと感じる。

二回目に観るとき、ローマインが証言台で話したことは全て真実か?っていうのを答え合わせしたんだけど、あんまりそういうわけではなかった(レナードを愛したことないとかそのへん)
でも「外国人だから本当のことを言っても信じてもらえないから」っていう理由、あまりにも闇が深い、いや闇が深いと表現するのも憚られてしまう。
それから「女性は喚き散らすもの」「女性の証言は信用に値しない」「女性は若いほどいい」みたいな台詞があるのは地味にしんどかったな。戯曲が書かれた時代もあるのでしょうけど……最近こういう描写にわたしが極端に弱いのもあるが。
今の時代に上演するから戯曲を変えろとは思わないけど、しんどくなるしもやもやもする。そういう気持ちも残しておきたいので記しておきます。

レナードの小瀧くんとマイアーズの成河さんが言い合うシーン、こんなん小瀧くんめちゃ怖いやろwwwwwって面白くなるくらいに白熱していて手に汗握るいい芝居だった!
成河さんは相変わらず相手の懐に飛び込んで綱渡りのような精神の削り合いをする人だなぁ。
歌がとても上手い人でデュエット相手の実力を引き上げてしまう人がいるけど、成河さんは芝居でそういうことができる人だと思う。
ところでかわいい成河さんの話をすると、新しい証拠や証言が出ると焦って資料をめくる成河、とてもいい……しかしまた下唇だけ震わせてんのがよおぉく見えるお席だったんだけどあれまじでどうなってんの???(みんな一回は試したことあるよね?)
一挙手一投足にすべて意味を持ってそう、と感じるくらいにこちらにプレッシャーをかけてくる役者だな。好きです。

最後にローマインがレナードを刺すシーン、三回目にしてやっとローマインの表情が見られたんだけど男役時代を彷彿とさせる勇ましさで……いや勇ましいシーンではないのだが……あさこ、イケメンだ……って思い出した。
あさこを観るのはたぶん2012年のエリザベート以来……?だと思うので、随分と久し振りだったけれど美しい女性として舞台に立っているのを見てちょっと泣いた。好きだった時代のタカラジェンヌがこうやって舞台に立っているの嬉しいな。

今回成河会で二枚お取り次ぎいただいたんだけど、初回にいただいた二階席センターは傍聴人の気分になれて面白かったし、一階席上手側前方はいわゆる推しセンターでずっと成河さんのお芝居を観ていられて幸せだったし、自分で手配した一階席中央付近はガンガン視線が飛んで来てそれこそ陪審員の気分だった。
どのお席もまったく違う楽しみ方ができて嬉しかったし、入る回で違う楽しみ方ができる、という演劇の楽しさを再確認できたのも嬉しいな。
三回も観て飽きないかな〜?と思ったりもしたんだけど、結果三回観て本当によかったです。
最近はいい公演を立て続けに観劇できてとても幸せ。わたしはやっぱり演劇が大好きです。


2021.09.19. 13時 / 17時
2021.09.20. 13時