世界が終わる日が休日ならいいな

好きなものを好きなときに好きなだけ

映画を観たよ(2022年10月・11月・12月)

マイ・ブロークン・マリコ


喪失を受け入れるというよりも、受け止めていく物語。ちょっと言葉にならないくらいよかった……。
「いなくなった人に会うには生きていくしかないんじゃないかな」みたいな台詞に胸が苦しくなった。大切な人がいなくなっても人生は続いていく。
マリコが書いた手紙にシィちゃんは笑顔をこぼす。何が書いてあったかは明かされないけれど、シィちゃんはマリコに会えたのかもしれないな。

SABAKAN


ノスタルジー!まさに「田舎の小学生男子の夏休み」な映画だった。夏のうちに観たかったな〜。
たけちゃんがひさちゃんを誘った理由が「笑わなかったから」というのもいいし、ひと夏どころかたった一日の大冒険もよかった。あれ実際距離としてはどのくらいなんだろ?
別れの駅のシーンがとんでもなく良かったし、ひさちゃんがお父さんとお母さんに抱き締められて泣くのもめちゃくちゃ良かった。お父さんは大冒険に送り出したシーンも良かったな……。
大人になってからも交流があるのが描かれているのもベタといえばベタだけど、この映画はそのベタが必要だったなと思います。

プリンセス・ダイアナ


ぼんやりとしか知らなかったけど、ダイアナへのパパラッチが異常だったのをまざまざと見せつけられてゾッとした。あんな数のカメラに囲まれて追いかけられて正気を保てる人なんていないでしょ……。
それはそれとしてチャールズの不倫はまず許せないことだし、旅先で注目がダイアナに向かうのが気に入らないって器の小さい男やの〜!!って感じ。
合わなかったと言えばそれまでだけど、それでもダイアナは皇太子妃でなくとも注目される立場になるべくしてなった人なのかなとも感じた。
徹底して報道映像のみで作られていたのでちょっと画面酔いしそうになるところもあったけど、ドキュメンタリーとしてすごい作りだったし見応えがあった……先日のエリザベス女王のドキュメンタリーがウーンだったので、このくらいのもの作って欲しかったなってなりました。

人質 韓国トップスター誘拐事件


せや!ファン・ジョンミンが誘拐される映画を本人主演で撮ったろ!!とか思いついた天才は誰ですか??ボーナスもらいましたか?????最高でした
ファン・ジョンミンがファン・ジョンミンで存在していることも最高〜〜!!!!!なんですけど、それはそれとしてサスペンスものとしても最高の出来でした!
被害者が追い詰められていく様子、犯人グループのサイコっぷりと仲間割れ、それからアクション!!かっこよ〜!!!!!
劇中で主演俳優がよだれを垂らしたり失禁したり、ぼろぼろの血みどろの鼻血まみれになるのも韓国映画!って感じでよかったです。容赦ない
犯人グループも良かったんですが、チェ・ギワン役のキム・ジェボムが良すぎました。どっかで見たことある……と思ったらまさかのスリル・ミーの나役者、まじか〜!笑
監督が短編映画を撮っている人で初の長編映画らしく、コンパクトにまとまっているのもよかったです。
あんまり長いと緊張疲れしてしまう……(老い)韓国映画のヒリついた感じ大好きなんですが、画面が暗いと最近疲れるようになってしまった(老い)

劇場版名探偵コナン ハロウィンの花嫁 ハロウィン再会上映


ハロウィン時期のリバイバル上映ありがとうありがとう……。
初期劇場版は純粋にミステリーとしての出来がいいんだけど、今作は「名探偵コナン」の積み重ねた歴史があった上で歴代トップクラスの出来だと思います。高木と佐藤、松田萩原伊達降谷諸伏のキャラクターがよく表されている……上手い……。
作画や音楽、芝居や演出等々ハード面での完成度も高すぎる〜!やっぱり「キミがいれば」を使ってくれるのは熱すぎる!
「大事な人の死を受け入れるということ」。コナンでは今までも描いていたテーマのひとつではあるけれどここまではっきりと描くのは珍しいなと思います。

カラダ探し


原作未読・漫画リアタイ勢なんだけど、あの漫画をこれだけつまらなくできるかぁ……という感じ。美味しい設定だけいただきました!感が ウーン
放送室、歌、振り返ったら即死、のあたりはまぁまとめにくいのかな?と思ったけど、人形の改変が許せね〜!!いちばんのつまらんポイントがここ!!
美子の呪いのくだりも全カットだし、そもそもカラダ探しが各地に残る伝承っていう設定が……ウーン……
というかキャラクターがあれだけ改変されるなら名前も何もまったく変えちゃって「別のカラダ探し」にしてもよかったのでは……話は好きだけど特に推しキャラいないので エッ…… で済んでるけど、推しキャラいたらキツいわこれ

とおいらいめい


髙石あかりちゃんが出てる!ていう情報だけで観に行ったんだけどめちゃくちゃよかった〜!
相変わらずあらすじも読まずに行ったんだけど、舞台挨拶で仰っていた「終わりが決まっている物語」(正しい言葉はうろ覚え……)が全体から感じられる映画でした。わたしも滅びに向かう物語大好きなのでツボだった……。
説明が過剰じゃないのも良かったです。「世界がこうなるってわかってから」とか「こんな世界」とか婉曲表現ばかりで「世界が終わっちゃう」に近しい表現ってなかったような?聞き逃してたらすみません 腹違いなのももろ言葉では言ってなかったはず。
姉妹には姉妹にしかない時間があるし、そこに腹違いの妹である音が入っていくのって簡単じゃあない。でも長女の絢音は壁があるのに対して次女の花音は音に対して境界線を飛び越えるように接するの、末っ子だな〜!と感じた。下の子ってそういうところある。
ラストの海辺のシーン良かったな。みんなでいろんな音を上げていく。明け方の空とシルエット、美しかった〜雲だと思ってたら彗星だったのに気付くの時間かかった……笑

犯罪都市 THE ROUNDUP


最高か!?!?!?1のほうは観てないんですけどめちゃくちゃ面白かった〜!!わたしはドンソクオッパの夢女なので……はぁ……かっこよすぎる……
チームの信頼感や班長、署長のかわいさ〜!!ににこにこしました。カン・ヘサン、善児並みにノーモーションで刺していくのがテンション上がった……とても良かった……100分くらいだけど密度が濃くて、でも冗長にも感じないちょうどよく楽しめて元気になった!!
韓国映画のアクションってまじで当ててる……?とよく思うんだけど実際どうなんだろ?疲れてるときに見るとしんどくなるくらいのメッタメタアクションがいいところですね……。

母性


母と娘の"呪い"の話だった。愛という名の呪い……。
最初の「母の真実」から見て「娘の真実」を見たときの戸田恵梨香の芝居にぞっとした。なんつー芝居をするんだ……!
永野芽郁ちゃんもずっと瞳に涙を溜めて溢さないで溢さないでいたのにぞっとしてたのに、ついに溢したときの芝居よ……。
実母・大地真央と義母・高畑淳子もとんでもなさすぎるのよ。実母はきっと呪いをかけていることに気が付いていない。最期に完成してしまった呪い。
ただ、ラストはそんないい話風に終わらせていいんか〜!?と思った……まだ呪いは連鎖するのではないか?という恐ろしさがあるんですが……?
そんなJUJU姉さんの歌声で誤魔化そうったって騙されへんぞ……!というきもち……。

ある男


出てくる人出てくる人芝居がうまくて震えてしまった。柄本明出てきたときは怖すぎて泣くかと思ったわ笑。あと仲野太賀が一言も喋らなかったんですけど贅沢な起用すぎん??
しかし妻夫木くんが在日三世の設定なの、またセンシティブな題材を……「アイデンティティの喪失」の表現だとは思うんだけど、それを表現するためにヘイト表現突っ込まれるのはちょっとしんどかったです。
息子が親の離婚・再婚・死別により「僕は次はなんて名字になればいいの?(うろ覚え)」って言ったのにはハッとしました。中学生でそれだけ変わってたらそりゃアイデンティティも揺らぐわな……という……。

RRR


"ナートゥ"をご存じの世界線に来てしまった……!
いや めちゃくちゃ面白かったな!?知ってたけど!!3時間もあった!?!?!?すごい すごかった 語彙力がなくなってしまう
FIREとWATERの相反するふたり……このまま敵対してしまうのかと思いきや……いやー……関係性も展開も熱すぎる!こんなことあっていいのか??しかしバーフバリもそうだけどバトルシーンどうやって撮ってるんだ?映像がすごい!どないなってんの!?
もちろん英国植民地とか人種差別とか暴力とか、いろいろあるんですけど。インドの人にとってこういうヒーローが希望なんだろうな……とも思う。
シータとジェニーもめちゃくちゃ可愛いし美しいし、特にシータは強い意志を持った女性で、ロマンスのエッセンス量が絶妙でめちゃくちゃよかった……そうだよなんでもかんでもどばっと入れりゃいいもんじゃないんすよ。
エンドロールにこにこしながら見てたけど、あのインドの英雄たちの肖像でなるほどこれが噂の……となり、ラージャマウリ監督が出てきてなるほどこれが噂の……となり、そこから最後までメインキャスト面で踊ってるラージャマウリ監督にいちばん笑いました。にっこり