世界が終わる日が休日ならいいな

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ミュージカル「スリル・ミー」木村×前田ペアを観たよ

【初恋のきらめき 普通の青年だったはずのペア】


初共演初挑戦の新ペア!達成は何作か観ていたけど、前田くんは映像を少ししか観たことなかったのでどんなものになるのかそわそわしながら観劇しました。

幕開きの54歳の達成私、いつもの達成とあまりに顔付きが違って、あれ?達成ってこんな顔だったっけ?と思った。かと思えば19歳になった瞬間、あれ?ビューラーでも当てました?ってくらいにおめめきらきらきゅるんきゅるんの可愛い達成が登場して驚きました。そしてこの最初の印象が最後までずっと続いていた。
達成私は前田彼にずっと恋をしていて、だから前田彼と一緒にいると嬉しい。見てくれなくて苦しい。前田彼の言うことを聞いてしまうのは惚れた弱み……なんてことをずっと感じていました。恋しているからずっと幸せで嬉しそうだし、つらくて苦しそう。
でも歴代私の中で一番陽キャっぽくて一番友達が多そう。世界が全然閉じてない。
感情表現も豊かだし、あの、えっと、本当にずっと可愛いな……。
Afraidで満面の笑みだったのにぞっとしたけど、「これで彼は自分に縋ってくれる」って喜びだったのかな。いやそれにしてもそんなに嬉しかったのか……よかったね……。
わたしは親がにろまりと松柿で、そのおかげで可愛い私が大好きなんですけど、達成私がほんっとに可愛くてツボでした。自分の可愛さを理解して利用する私、したたかで最高。

前田くんは舞台では初めて観たのだけど、登場した瞬間のオムファタール感にちょっとびっくりした笑。そりゃ達成私も惚れちゃうよ。
あまりテンションに上下がなく基本的にフラットに進んでいって、時折カン!と上がる芝居がテレビの子だな~と思ったけど、乱高下する達成私の情緒とぴったり合っている、なんだか不思議なペアでした。
達成私の特大の「好き!!!!!」を受け止めてるのすげえな……。
暴力を振るうことにも振るわれることにも慣れていそうな印象で、世界観がハイローだ……となりました。日常に暴力がある。ナイフを持っているのに違和感がない。でもちゃんと達成私のことは好きだから殴ってなさそう!よかった!(?)
前田彼の台詞回し、つらつらっとしていて今まで強調されてたところがさらっと流されてたりしたな。ここがテンションがフラットと感じる大きな要因になっている。
「お前以外で」も、「お前」「えっ」「以外で」じゃないの初めて観たかも。「お前のこともムカつかないとは言わないが話の流れからして明らかにお前じゃないだろ」みたいな感じだったの新鮮だった。
Roadsterは楽しそうすぎて、いつ伊礼彼みたいに⊂二二二( ^ω^)二二⊃ブーンって言いだすかわくわくしちゃった笑。マフラーが首にきっちりかかってなくて、細部の詰めが甘いんだよな。だから達成私にとって食われるんだよ。
それからAfraidの惨めっぷりがめちゃよかった!ここで立ち上がる彼は初めて観たかな?もう張っても意味がない虚勢を張り続けている惨めさが見えてよかったな。あと子どもに戻っちゃったようにも見えた。
Everybody Wants Richard では達成私が押せ押せGOGOすぎて、達成私性欲強くない?前田彼そんなに強そうじゃないけど大丈夫??と思ったのですが、Nothing Like A Fireではあっちゃんと前田彼も強そうだな……大丈夫そう……って感じた。こういうところがなぜかぴったり合うんですよね。
Thrill Meで達成私が前田彼に抱き着こうとしたのに盗品の入ったバッグ投げ付けられて制されてたのはちょっと笑った。勢い良すぎる達成私。あと「明日は早いんだ」って片方だけジャケットをはだけさせて見上げてくる前田彼を見て生唾飲み込んでた(ように見えた)達成私、性欲ごりごりで笑った。好きだよ、そういう私……。
基本的に達成私が毎日毎時間毎秒愛を捧げていて、その愛は返ってこなくない……?とも思ったんですが、前田彼は達成私に対して優しさを返しているんですよね。それが前田彼の愛というか情だったんだろうな。
Life Plus 99 Yearsでわかりやすく前田彼の心のシャッター降りちゃったどころか死んじゃったけど達成私はそれでいいの?あっ嬉しそうですね、それでいいのか……そっかぁ(着席)って感じだった。前田彼が刑務所のシャワー室で死んだのは巻き込まれ事故だったかもしれん。

このふたり、14~15歳くらいでべタに曲がり角とかでぶつかって、こけた達成私を「悪い」って前田彼が助け起こしたところから関係が始まっていてほしい……ってくらい、若くて青い初恋同士のペアだった。
なんというか、最初は普通にどこにでもいる青年だったんだよな、がしっかり見えたペアだった。それがほんの少しのボタンの掛け違いでうまく生きられなかったんだろうな……という印象です。
だから各所で選択肢がたくさんあったように感じました。でも「彼と一緒にいるには」って考えている達成私、「どうにか自分を優秀だと認めさせたい」と考えている彼、それぞれが選んだ選択肢が最悪のほうに進んでしまった。そんな印象です。
眼鏡を落としたあと、もしかしたら拾いに戻ったかも……って感じたペアは初めてでした。
今回は2公演のみの観劇でしたが、もっともっと観たかったな〜!いつかまた観られるその日まで、気の済むまで反芻したいと思います。

2023.10.08. 12時
2023.10.09. 15時30分