世界が終わる日が休日ならいいな

好きなものを好きなときに好きなだけ

宝塚宙組「白鷺の城」「異人たちのルネサンス」を観たよ(2回目)


2階席後方からでした

【白鷺の城・まどかの充実した美しさ】

初日に観て以来、2回目でMy楽の観劇でした。
「白鷺の城」のまどか、ほんとにとんでもなく美しくて、オペラグラスで覗くたびに泣けてきてしまった。内から発光しているような、きっと充実した公演なんだろうと思える美しさだった……きれいだよまどか……幸せにおなり……(?)
さて、初日よりも組子に馴染んでいてとても楽しかったです。良くも悪くも、美しさで瑣末なことを感じさせないのが宝塚だと思っているのですが、今日はとてもそんな感じだった。多少の違和感は美しさに気を取られているうちに忘れている。
あとね〜まどかがね〜ほんとに美しくてね〜最初に真風を見た瞬間から「あぁこの人だ」って思ったのかな、それともそれより前に「あの人が近付いて来ている」って思ったのかな、って思うとさ〜〜かわいい……バクモエ……転生もの大好きマン……なので最後は松本先生と愛ちゃんも絡ませて欲しかった……絡んでくれたらバクモエすぎて泣ける……
前回書いた「舞台が日本なだけのいつものショー」って我ながら的確な表現だと思う。あとあんまり関係ないけど男役さんが袴姿で踊りまくってるのを観るとるろ剣群舞……って思ってしまう……
男役さんたちのお化粧もとても素敵だし、娘役さんたちも可愛いし、なんだかんだけっこうお気に入りなショーになりました。またこういう「舞台が日本のショー」やってくれたらいいな。

【異人たちのルネサンス・なにが悪いんだ】

ものっっっっっすごく眠たくない?????
トンチキ芝居じゃないし破綻しているわけではないのに脚本全然面白くない。華やかさでごまかせるほど華やかな演出でもない。からめちゃくちゃに眠たい……なにが悪いんだってまぁ脚本なんですけど……つまんないし演出も単調すぎて……生徒の美しさと頑張りに頼り切っている気がします。それでカバーできないくらいに眠たい。通わなきゃいけない人たち大変だな……って思いながら観ていた。
オリジナル脚本って大変だよね、当て書きしなくちゃいけないしそれなりの人数に見せ場を作らなきゃいけないし、香盤順とかね、あるからね、でもね、つまんないんですわ……何回も時計見ちゃったし、早く群舞が観たい……ってずっと思ってた。ので感想らしい感想がない。「仮面に罪をなすりつけ」という歌詞は好きです。
そして待ち構えていた群舞、はちゃめちゃにわたしの性癖を突いてくる!!フォーメーションもお衣装も振り付けもだいすき!!すてき!!娘役さんの大階段にあれだけ凝ったフォーメーションするの珍しいよね。群舞以降だけエンドレスリピートしたい。
そしてデュエダンのまどか!!かわいい!!美しい!!真風と視線を絡めて微笑み合う姿がたまらなかった。かわいいねぇまどか……公演中に復帰できてよかったねぇ……まどかの伸びやかなダンスは観ていてほっとします。
宝塚公演はあと2日、東京公演の千秋楽までまたまだありますが、最後まで頑張ってほしいです。生徒もファンの皆さまも!

2018.11.03. 11時公演

映画「search」を観たよ

【ある意味ではわたしたちの話】


search/サーチ 公式サイト

宣伝の通りPC画面の中で映像が展開するんだけど、「そういえばそうだった!」って思い出すのに時間がかかるほどスピーディな画面展開と飽きない構成だった。大画面で観るのも楽しかったけど、あえてデスクトップ画面で観たいなぁ。配信やソフト化のことも見据えての演出だったのかな。
あと関係ないけどMacのデスクトップでもFaceTime使えるのすげぇって思った……こりゃiPhoneユーザーはMac使いたくなるわ……

肝心の中身だけれど、これも宣伝の通り「失踪した娘を父親がSNSを使って探す」話。娘がMacBookpwdかけてたら始まらなかったとは思うけど笑、SNSの特定からpwdを開くところなんかはぞっとしましたね、ネトストじゃん!わたしたちじゃん!って……(ちょっとちがう)(pwd開くのはやってないよ!!)
でもそのくらい簡単にログインされちゃうんだなぁと改めて怖さを感じましたね。こわい。
Facebookを開いてから友達に連絡をしていくと学校での娘のことが分かっていくんだけど、学校では友達がいなくてネット上にしかいないって、なにそれわたしたちじゃん……
しかしpwd開いたり担当刑事を検索したり、ずいぶんネットに明るいお父さんだなとも思った。覚えてないんだけどお父さんなんの仕事してるんだろう。あとだんだん井戸田に見えてきた。
お母さんが亡くなって、お父さんなりに娘と一緒にいたし、関係が険悪なわけでもないけれどうまくいかなくて、でもそういうのって親子だけじゃなくてどんな人間関係もそうだよなぁ。って当たり前のことを当たり前に思ったりもした。
叔父さんくらいの距離の人にしか相談できないのもぎゅうっとしたけど、叔父さんがいてよかったよなとも思った。解決方法はまずすぎたけど。

後半、どんどん話が展開していくスピード感や方向性も面白くてぐいぐい引き込まれたし、最後のどんでん返しもぞっとした。
ネタバレなしで見てほしい映画ですね、面白かった!!

大阪劇団文化祭「KING & HEAVY」公演を観たよ

【劇団文化祭in大阪2018】

はてさてこれも御縁がありまして、急遽観劇を決定しました。
このクラスの劇場に入るのほんとうに久し振りで、たぶん10年振りくらいじゃないかな……というわけでさくっと行ってまいりました。
「KING & HEAVY」飯嶋松之助さんと伊藤駿九郎さんの公演です!

【モーイーカイ】

発想も展開もありがちと言えばありがちだけど、ありがちをきっちりやるというのはかなり勇気のいることだと思います。どうしても「あっちのほうが」「いやこれはこういうほうが」って考えてしまうので。
結論から言えば、とてもよかったです。台詞も聞き取りやすかったし、テンポも良かった。間延びした感じもせずに、どのくらいかな、25分くらい?緩むことなく一気に観せられた感じ。
最初に子どもの格好で出て来たとき、「あぁ子どものままなんだな」と思ったのに見た目は大人なのはずるかったwめっちゃ笑ってしまったw
子どものころの遊びをやるシーンと、そのあとのしんみりしたシーンのバランスもとても良かったな。絶妙。あと数分時間が違うだけでコントとシリアスの塩梅が崩れていたとおもう。タイトルの「モーイーカイ」も、最後の演出に掛かってるのがまたニクいですね。
あ、「えふしーに、と、えっくすぶい……」もやばいくらい笑った。
よーちゃんが結局人さらいに連れて行かれたのか、それともどこかの狭間に落ちてしまったのか、よく分からないのもいい後味でした。

そういえば季節に言及は無かったけれど、真夏だと思い込んでた。うだるような熱さの中で、蝉の鳴き声が聞こえていた……。

【TENKA】

これもTシャツを重ねたむくむくの格好で出て来た瞬間にどんな演出なのか分かったけど、めっちゃ笑った!「3000人の兵」がもうあかんかったwww
信長、秀吉、光秀、家康、柴田、かな?この人数をふたりで回す鬼のような台詞とテンポwwwww胸に名前が書いてあるとはいえ、きちんとふたりで演じ分けていたのは天晴れの一言!
伊藤さんの柴田、喋り始める前に唾液の音が入るのが「あ〜〜!!年寄りってそうだよね〜〜!!」って笑った。
飯嶋さんの光秀はお茶目で可愛気があって、そりゃそんな扱いされたらぷんすこするよね〜!わかるわかる〜!!と思ったw
終盤にゲストの濱谷晃年さんが出て来て、伊藤さんの恋愛事情を暴露したのほんとに笑ったけどあれよかったのかwww
あとの展開がいんたーねっとにかけない……( ˘ω˘ )wwwはちゃめちゃに笑ったことだけはお伝えしておきます。晃年さんの焦った顔かわいかったです。

【アフタートーク

飯嶋さん調べの「女性がときめく男性の仕草」選手権!!
これがあまりにもやばかった……文字にしたらあまりにも面白くないんだけど……(とりあえず一度書き出そうとしてやめた)
晃年さんと飯島さんの女性役めっちゃ可愛かったし、伊藤さんのペット役めちゃくちゃ笑いましたw
笑いましたしか言ってないけどまじで笑ってしかいないんすわ……語彙力の消失……
なに、なにを伝えればいいの?wwwというくらいカオスだった。手を叩いて笑ってしまった。すみません。

エンタメでこれだけ笑ったのめっちゃ久し振りな気がします!ゲラなのでいつでも笑ってるけど!めっちゃ楽しかった!!
勢いのまま書こうと思ったら支離滅裂にもほどがあるんですけど、今しか書けないということでご容赦ください!!楽しかった!!!!!


「ORANGE」楽しみ!!

2018.10.24. 19時公演

みんなにPiTaPaを使って欲しい

皆さま、PiTaPaってご存知ですか?

PiTaPa.com

関西在住の方と宝塚おたくの皆さまはご存知だと思います(東京宝塚劇場でも使えるから)
スルッとKANSAIエリアで発行されているICカードです。
わたしは!これを!!推したい!!!!!
個人的な推しポイントを書いていきますが、間違いがあればご指摘いただければ幸いです。

【チャージの必要がない】

日本全国にあるICカードのなかで唯一、後払い(ポストペイ)方式を採用しています。
そう!後払いなのでチャージの必要がないのです!!
しかも区間登録をしておけば1ヶ月の最大請求額が1ヶ月定期相当額になりますし、それに満たなくても利用回数によって割引が適用されます。
すごいでしょ!?

JR西日本でもポストペイできるようになった】

今までJRでもPiTaPaの利用はできましたが、JRではポストペイには対応していなかったので長らくチャージが必要でした。
(ちなみに、設定しておけば残額1,000円を切った状態でPiTaPaエリアでタッチすると自動的に2,000円チャージされるオートチャージはありました)
それが2018年10月1日よりJR西日本でもポストペイ対応するようになり、チャージの必要が無くなったのです!!やったー!!

【ポイントが貯まる】

なんとPiTaPaで乗車するだけでポイントが貯まります。定期も買えばそのぶんも貯まります。
阪急沿線だと、asnas(駅コンビニ)やブックファースト(本屋)でもポイントが貯まります。PiTaPa付きのクレジットカードにしておけば普通のクレカ利用でも貯まります。阪急三番街や阪急百貨店など、阪急がデベロッパーだと更に貯まります。
わたしは宝塚おたくなので、貯まったポイントで宝塚歌劇のチケットを買います。すごない?電車乗ったりしてるだけで宝塚観れちゃうんよ??やばでは??
ポイント詳細についてはSTACIAのサイトをご参照ください。

【デメリット】

ただもちろん、デメリットもあります。
クレジット扱いになるため、発行に時間がかかること。
口座の登録など手間がかかる。
それから、「交通系ICカード決済」には対応していないこと。
大阪でいつもPiTaPaで決済していても、関東などでは使えないんですよね。関東ではいつもSuicaにチャージして交通でも使ってるのでいいっちゃいいんですけど、まぁ地味に不便……。
でも、それに有り余る便利さだと思います。わたしは阪急の民なので余計ですね。
ただ、当たり前ですが手元の現金が減らないのと手軽だから決済のしすぎには気を付けような!!!!!交通利用以外はクレジット!!!!!!!!!!(一応限度額はあるよ!)

大阪芸大ミュージカルコース卒業制作公演「HAIRSPRAY」を観たよ

【止められないこの鼓動!】


少し御縁があって、今年の大阪芸大ミュージカルコースの卒業公演を観劇することになりました。
「HAIRSPRAY」という演目自体は映画が公開された2007年に観たことがあるきりで、あとはコンサートで「You Can't Stop The Beat」を聴いたことがある程度。
言われて気が付いたけど、この公演が日本初演になるんですね。そんな公演を偶然とは言え観ることができて嬉しい!

メインキャストは半分ほどがWキャスト、残りはシングルキャストでした。シングルキャストたち、初日は声や動きが堅かった子も多かったけれど2日目はのびのびと演じていて「百回の稽古より一回の本番」を目の当たりにしました。
Wキャストの子たちもたった2時間20分の間にみるみるうちに良くなっていてびっくりした。すごい。
特に母親役の子たち!どの母親もひとりでもブレると物語が弱くなると思うのですが、歌声も芝居も説得力があって聴き入ってしまった。ブレンダ役の「I Know Where I've Been」の説得力は素晴らしかった!
黒人役の子たち、歌声もダンスもすごくソウルフルで、ブラックミュージックを彷彿とさせるリズム感を持っている子が多くて、誰が黒人コミュニティなのかはっきり分かったのはすごかったなぁ。
カウンシルメンバーたちもキュートにそれぞれを演じていて可愛かったな〜きちんと個性が出ていました、知らない子たちを遠目で見てきちんと見分けられたので笑。お衣装替わってもちゃんと分かった。
あとコロスが上手いカンパニー大好きなので「The Big Dollhouse」楽しかった!ほかのナンバーもきちんと歌詞が聴き取れました。これめっちゃ重要なんだよね、歌で伝えるミュージカルだから。コロスが下手だとただの不協和音なので……

今回は大学生の卒業公演ということで、いつもの商業演劇とは少し違う心構えでお座席に座ったけれど、それを忘れるくらい引き込まれたし純粋に楽しめました。
あと学生演劇ならではの熱さも久し振りに触れられて胸が熱くなった。がむしゃらに演劇に取り組めるのは今だけかもしれないからね……涙腺緩くなって困ります。
Wキャスト公演の魅力はキャストによって役の解釈が変わること。どの役もキャストによって違う魅力があり、ほぼ初見のこの演目を、たった2公演でいろんな方向から観られたのはとても嬉しいことでした。
Wキャストの子がする芝居はもちろん違うので、それに対するシングルキャストの子の芝居ももちろん違っていて、こういうところが演劇の面白いところだなと思います。脚本と演出は同じなのに違う芝居になる。だから好きなんですけど。
どれがいいとか悪いとか、そういうことでもなく、その日その板の上で生まれたものがその時の正解なのだとわたしは思います。

今回のキャストがどれだけ演劇の世界に進み、そして軌道に乗るのかは分からないけれど、違う道に進んだとしても本気で演劇に取り組んでいたことは必ず人生を豊かにしてくれます。この経験が活きるときが必ずきます。
学生たちの将来が素晴らしいものになるよう、老婆心ながら祈っています。卒業公演千秋楽、おめでとうございます!

2018.10.18/19.

宝塚宙組「白鷺の城」「異人たちのルネサンス」初日を観たよ


チケットあるよ!とお誘いいただいたので、ファン歴16年目にして初めて初日を観劇しました。
パスタでランチしているときにまどかの部分休演のニュースが入って来て、もうもう泣きそうでした……

【白鷺の城】

宙組さんでは初めての日本物ショーでしたね。
純粋な日本物ショーを想像していたので少し驚きましたが、とても面白かったです。でも純粋な日本物ショーを期待していると拍子抜けするかも。スカされた感じはします。面白かったけど。
いつものショーが「舞台が欧州や南米」であれば、今回は「舞台が日本及び東アジア」という感じでした。いつぞやの花組さんショー「ASIAN WINDS!」に感覚としては近いかもしれない。
妲己のまどか、はちゃめちゃにかわいくない……?やばでは……?
あと運命論者のおたくなので幾千年の時を経て対立し合い惹かれ合うつがいがはちゃめちゃに大好きですね……めちゃくちゃ萌えました。やばくない?妖狐のまどかに安倍晴明の子孫の真風だよ??あまりに設定がやばい。さすが大野先生。設定だけで勝ちが決まっているようなもん。

「舞台が日本のショー」なので、現代的なイメージの強い宙組さんともあまり段差を感じなかったように思います。むしろ純粋な日本物ショーをしてエッ……?ってなるよりはよかったかも。宝塚の日本物ショーの強み(と思っている)オーケストラで日舞を踊る、というのもそれを後押ししているのかも知れません。
そこに松本悠里さまの圧巻の踊りを差し込むことによって松本先生の役柄も活きていたと感じました。愛ちゃんと恋仲というのもはちゃめちゃに萌えました。大野先生ありがとう。
いろいろ思うところはあれど、総合的には楽しかったです!

【異人たちのルネサンス

オリジナル作品を観るときはできるだけあらすじを読んだりしているのだけど、今回は急遽初日を観に行くことになったというのもあり全くの無情報で行ったらなかなか集中できなかった……どんどんと理解力が無くなっていく……
真風がイケメンでまどかが美しいことに気を取られてしまってまじであんまり記憶がない。しかしお衣装チェンジほぼなかったよね?あれま?
そして「異人」というのが日本人から見ての「異人」だよね?なんというか、タイトルと内容がイコールしなくて浮いている気がする……
でもいわゆるトンチキ芝居ではないので2回目観たら感想が変わりそうな気がします。まどかがデュエダン復帰したら2回目行きたいなぁと思っている……

そしてそして、フィナーレちょっと最高が過ぎませんでした??プログラムの場解説に「なにこれ最高だね」って言ってたんだけど、ストーリーも振り付けも音楽もお衣装も好みど真ん中でした。ここを観るためだけにでも通えるってくらい最高だった……ありがとう……素晴らしすぎる……

お芝居もショーもオリジナル、というのは宝塚の醍醐味であれどやはりリスクも孕んでいるよなぁと思い出しました。楽しかったけどね。たぶん初日を観たというのもあると思います。もっと組子に馴染んだのを観るのも楽しみだな。

2018.10.05. 15時公演

わたしの本命を紹介します

【陽気で明るく、優しくて強いハンガリー人】

さて、永遠の贔屓・花影アリスちゃんを紹介したのでこの人も紹介します。
ハンガリーはミシュコルツ出身のミュージカル俳優、Máté Kamarásです。

楽屋に通った成果 サインが欲しいというより、話したい口実だったとおもう

彼は2003年から2005年までウィーンにて、エリザベートでトート役を演じています。
彼との出会いはそのエリザベートです。
2005年、ウィーンでの公演DVDが発売されることが発表されました。
当時、エリザベートの映像は宝塚版しかなく、動画サイトにあるものも細切れであまり観る気にはなれず、発売日にわくわくしながら購入しました。
ドイツ語上演、字幕なし。開封すれば、なんと両面ディスク!
え〜!?と思いながら再生してみれば、彼がそこにいました。
それまで宝塚版のお行儀のよいお耽美なトートしか知らなかったわたしは驚くしかありませんでした。
金髪オールバック、登場衣装を見た瞬間「プレスリーか?」と思いました。そして歌い出せばハスキーなロック歌唱。
天地がひっくり返ったような衝撃でした。
トートなのに陽のエネルギーに溢れていて、それなのにトートとして破綻していないのにも驚きました。
シシィ役のMayaさんとの相性も素晴らしく、ふたりが対峙する「Wenn Ich Tanzen Will(私が踊る時)」は龍虎相摶つ!!って感じがしてどきどきしました。

このあたりの時系列をよく覚えていないのですが、DVDが出てから発表されたのか、発表されてからDVDが出たのか、とにかく、2007年春にウィーン版エリザベートの招聘公演が行われることが発表されました。その前2006年末にはメインキャストと宝塚OGキャスト出演のプレイベントが行われることも。
来日キャストはシシィ役Maya Hakvoort、トート役Máté Kamarás、ルドルフ役Lukas Permanの3名。
そこで聴いた歌に、わたしは虜になりました。
魂が掻き乱されるってこういうことなんだ、と実感しました。
ふわふわした気持ちで帰宅して、聴いた歌を頭の中で繰り返し繰り返し思い返してDVDを再生して。
そうしてやってきた2007年の招聘公演。
キャストがヨーロッパ式に当日発表だったので狙ってチケットも取れず、それでも何回かは観ることができたのでほっとしました。
憧れていたウィーン演出にも胸をときめかせていたし、プリンシパルたちの、とりわけMátéの歌を聴くことができて幸せでいっぱいの一ヶ月間でした。
とにかく会いたい一心で楽屋口にも通いました。
(これは自慢ですが、彼の千社札をシートで持っています笑。ある日なぜか配ってたんです)
たくさんお写真を撮ってもらって、たくさん握手してもらってたくさんサインをいただいて、たくさんたくさん好きですって伝えました。拙い英語で言葉が伝わっていたかは分からないけれど、気持ちだけは伝わっていたらいいなと思います。

彼の拠点はウィーンだったので、日本では簡単に情報が手に入りません。ヨーロッパの公式サイトを見つけ出し、web翻訳にかけてなんとか内容を読み取ろうとすること数ヶ月。ついに日本語版のファンサイトが出来ました。
日本滞在時に牛丼にハマり、帰欧してからも食べまくって太ったなんてエピソード、あまりにも可愛すぎません??
姿月あさとさんと意気投合し、姿月さんがウィーンに会いに行ったという記事もありました。日本のファンが血液型を知りたいって言ったからわざわざ検査してくれたなんてこともありました。それまで彼は自分の血液型を知らなかったんですって。ちなみにA型だったそうです。
ファンサイトがメルマガを発行してくれていて、Mátéからのメッセージをたくさん届けてくれました。
そしてこれは彼のことを話すときの鉄板ネタなのですが、東京にある彼の知人のハンガリー料理屋さんでSkype会が開催されることになりました。ファンが集まって、本人はウィーンからSkypeで参加するというファンミーティング。
それだけでもう面白いのですが、開催理由が「Mátéが話したいから」。開催日時は「来週の水曜」。
いや、無理でしょ!!!!!!!!!!なんだよそれ自由か!!!!!!!!!!笑
しかもあの人、好きな日本食は「カルビ」とか「ユッケ」って言うんだよ!!差し入れの参考になりゃしねぇ!!っていうか韓国料理だ!!(ってツッコんだら途端に焦り出して、「僕にとっては"日本で食べる料理"だから……!」って言い訳していた。ちくしょうかわいいかよ!!)

さて、2005年に来日してから、ほぼ毎年日本でのステージに出演してくれているMáté。それまではコンサートばかりだったのですが(2009年のLOVE LEGENDの再演いまだに待ってます)、遂にミュージカル公演に出演することになりました。
演目は「MITSUKO」。安蘭けいさん主演のオリジナルミュージカルです。
公演時期は2011年5月。お稽古は3月中旬からでした。
後年、この時のことについて話してくれました。


梅芸側からも無理して来なくていいと言われたし、家族や友人、周囲の人たちからは猛反対を受けたそうです。
「それでも、僕は、日本が好きだから、来ました」
母国のハンガリーでは地震がほとんどなく、余震のたびに飛び起きていたとも言っていました。どれほど大きなストレスだったんだろう。
初来日から、とてもとても日本のことを好きでいてくれているMáté。いつの頃からか、通訳さんをつけないでひとりで日本語で話してくれるようになりました。このときも日本語で頑張って話してくれました。
(余談ですが、Mátéは母国語であるハンガリー語をはじめ、英語ドイツ語と喋れて、日本語もひらがなと簡単な漢字は読み書きできます。幼いころは学校でロシア語の授業もあったそうで、実はいろいろな言語を喋れます。すごい)
これを話してくれたのは、2014年のGWに金沢で開催されたラ・フォル・ジュルネのステージの上でした。この日はミュージカル曲を何曲か歌ってくれたあと、最後に「花は咲く」を歌ってくれています。
MITSUKOのカンパニーは、公演が終わってから被災地に訪問しています。色んなことを思い出したのでしょう、「ごめんなさい、ぼくは、ぼくは……」と途中で言葉を詰まらせていました。
我がことのように感じてくれているのだとおもうと、その心遣いに感謝するしかありませんでした。

日本で公演のたびにファンミーティングも開催してくれています。静岡に知人のお店があり、そこでバースデイパーティをすると言われたときはどうしようかと思いました。日帰りで行きました。
というのはレアケースなのですが(そりゃそうだ)、だいたいは公演に合わせて東京と大阪で行います。
幼少期のことなど、プライベートなことを話してくれたり、歌を歌ってくれたりします。少しでも楽しませてくれようと、いろんなことを考えてたくさん喋ってくれます。
そういうMátéの優しさとか、共感性とか、あったかさが大好きで大好きで仕方ないんです。
舞台の上ではエネルギッシュで、叱られるくらいにふざけまくっているのに(すき)、舞台を降りると細やかな気遣いが出来る、優しくてちょっと甘えたな人なんです。

最近はあんまりステージでの活動はしていなくて、Facebookinstagramを観ていると、絵描きとしての活動が多いみたいです。日本でのステージも2016年の9月が最後。次の日本公演は決まっていません。
Mátéは先日42回目の誕生日を迎えました。初めて会ったときはまだ20代だったのに、彼の30代を見届けてしまったんだなぁと思うとなんだか感慨深いものがあります。
これから彼がどういう活動を続けていくかは分からないけれど、日本でステージに立つときは全部観たいし、いつか彼のホームで姿を観られたらいいなと思います。
それまで健康に楽しく過ごしてくれていたらいいな。