【絶望感と孤独が産んだ怪物】
世界的怪奇小説「フランケンシュタイン」の作者、メアリー・シェリーの半生を描いた映画。
恥ずかしながらフランケンシュタインはあらすじは知っているけれどきちんと読んだことがなくて、あとはミュージカルで観ただけだった。原作を読んだことが無ければ作者に興味を持ったことはなく(女性作家作だというのは知っていた)、この映画はTLで見たこの記事がきっかけで気付いたんだったと思う。
記事にもあるお写真が美しいなというのと、確かに兎丸先生好きそうだなというのが第一印象だった。
そして兎丸先生のレビューにある「18歳の少女がどうしてこれを書かなければならなかったのか?」に驚いたんですよね。18歳て。あんまり詳しいネタバレは見たくなかったので、そこまでだけ読んで観に行って来ました。
主演のエル・ファニングが本当に可愛くて、店の隅で膝の上にノートを開いてガリガリと文字を書き綴るのが印象的だった。
義母は自分のことを理解しようしてくれず、父も分からず屋ではないけれどすれ違いばかり、それでもメアリーを田舎に向かわせるときに優しい言葉をかけていたのに泣けてしまった〜泣けてしまったのになんて言ってたか忘れた悔しい……。
パーシーと出会ったときのメアリーが16歳でまじでびびったのだけど(ここから2年でフランケンシュタインを書くの!?って)、しかし21歳の妻子持ちで16歳の少女を引っ掛けるパーシーのダメっぷりよ……駆け落ちも結婚生活も全て全てダメすぎてフィクションか?というきもちだった笑。
バイロンは絵に描いたようなクズすぎて、これもまたフィクションか?というきもちでしたね……すごいな……こんなのが周囲にいたらそりゃメアリーも追い詰められるわな……って思ってしまった。
それからとにかく映像が美しくて、ロマンが溢れる映像だった……お衣装のドレスどれもかわいい!ときめく!
エル・ファニングの静かながら意志の強い瞳が美しかったし、フランケンシュタインを書き上げたとき「End」と削るように書いた音が耳にしっかり残ったな……それこそ耳に刻み込まれたようだった。
ちょっと感想を書くまで時間が空いてしまったので言葉が浮かばないのだけれど、腹の底にずっしり沈むような映画だった。シネコンのような大きいスクリーンでなく、ミニシアターでひっそりと観るような映画でした。
2019.01.08.