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ミュージカル「スリル・ミー」松下×柿澤ペアを観たよ

【果たして、誰が誰を操っていたのか】


初演以来、なんと6年半振りの松下×柿澤ペア。
2014年の松下×小西ペア、尾上×柿澤を経てのふたりがとても楽しみでした。祝復活……!
初演ペアで付き合いが長いからなのか、「ずっと一緒でした」の幼馴染み感が強かったように思います。歌声もユニゾンどころか溶け合う瞬間がたくさんあって、いやふたりで歌ってるやん、って何度か驚いてしまった。これ田代×新納ペアでも思ったな。
そしてヤンデレ彼……彼が私に対してあんな振る舞いをするのは私が彼のもとから離れないことを知っていたからだよね。でもなんだかんだ言ってキスが優しい。超人に憧れすぎて自分のことを超人だと思い込んでいた彼。超人だから万能だと思い込んでたんだろうな〜という感じ。
私はそんな彼のことを分かっていて、そんなところが愚かだな可愛いなと思っていたんだろうな。いつ彼を自分だけのものにしようかずっと考えていたのかな。盗みや放火を繰り返しながら計画を立てていたのかもしれない。それを「次は殺人だ」と言われて実行したのかなと感じた。「時は来た」んだよ。それから「まだ分からないの?」はゾッとしたな……彼と一緒に居たかったから、彼のことを立てながらもさり気なく自分の思うがままに動かしていたんじゃないだろうか。好きなようにさせつつ私の思うように導いていたんじゃないだろうか。それこそ私のほうが「超人」だから。99年を聴きながら、韓国公演のコピー「과연 누가 누구를 조종 했는가?」(果たして、誰が誰を操っていたのか)を思い出した。
でも彼は終盤まで自分が私を操っていたと思い込んでいる。だから名前を呼べば言うことを聞くと思って何度も呼ぶしキスもする。それを望んでいると思い込んでいるから。
結局私が欲しいものは「彼自身」なのであって、彼から「名前を呼んでもらう」「キスしてもらう」「抱き締めてもらう」なんていうものはおまけにすぎない。そして愛されていないのも分かっている。だから「99年離れない 離さない」「永遠とは言わない 死ぬまでは」。
「いや、こんな話もうしたくありません!」を叫んだのは、私の中の彼をもう誰にも見せたくないからかな。やっと手に入れた彼、記憶でさえも私以外のものにさせてたまるかと言うような……。松私の「自由……自由?」の言い方がめっちゃ好きなんですよね。「彼がいないのに自由だなんて、こいつらはいったい何を言っているんだ?」のように聞こえる。それでも最後、あのころの彼が迎えに来てくれてるんだな……19歳の私に戻れたんだな私は……って泣けてしまう。手段は最低なんだけど、私はただ彼と一緒にいたくて彼が欲しかっただけなんだよね。でも最後まで手に入ったかどうかは分からないよなぁ松柿……すり抜けていったかもしれない……。

前回公演から考えているのだけれど、「高校生のころあの公園で撮った彼の写真」は隠し撮りなんだろうなと思ったな。公園のベンチに座ってる彼を撮って、それに気付かれて「レイ」って諌められるけど別に処分しろとは言われないの……彼の幼馴染みとしての優しさかな。松私に対して柿彼もこに彼も甘いのちょっと和みます笑。


2019.01.19. 15:30 / 19:00
(2019年観劇初め!)