世界が終わる日が休日ならいいな

好きなものを好きなときに好きなだけ

ミュージカル「キンキーブーツ」を観たよ

【なりなさい 自分がなりたい人に】


「キンキーブーツ」公式サイト

最高の公演だった。とにかく最高だった。
初演で初めてこの作品を生で観てぼろぼろ泣いて、そのまま来日公演も観に行った。
キャストをそのまま続投できたのも最高だし、キャストたちが初演を超えてきたのも最高だった。
女神のようだった初演の春馬ローラ、本人が「美を追求して身体を作った」と言っていたように肉体的にも精神的にもあまりにも美しかった……。ローラの「ミスター……決め付けてごめんなさい、ミスターでいいのかしら?」という台詞がとても好き。ローラの歩いてきた道が分かるようで……。
ローラの優しさは強さであり弱さであるよね。「ありのままの他人を受け入れなさい」というのはずっとローラがしてもらいたかったことなのかも知れない。してもらいたかったからこそローラはそれを実践してきたのだろうとも思う。

そのローラが信頼する徹平チャーリーも初演より素晴らしかったなぁ。「父が望むこと以外ならなんでもよかった」と言うチャーリーの気持ちもよく分かる。チャーリーの迷いや決断、そして成長も初演よりはっきりと分かるようになった。ローラにデザイナーのスカウトをするときの「君は靴のデザインができる。そして僕は靴が作れる」の流れがすごく好き。バディものすごく好き。
ふたりの関係性がとても重要だけど、ほんとにこのペアの距離感がものすごくバランスがよいなぁとおもう。並んで立っていて、不安なときには小指を繋ぎ、お互いの危機には抱きしめ合う、そんな距離感を感じる。
ノーサンプトンのチャーリー これがクラークトンのサイモンだよ」
ローラがこの台詞を言えるほど信頼できるほどの人間であり優しさがある強い人なんだよねチャーリー。とても強くてとても弱いひと。

そんなチャーリーに惹かれるローレン、ソニンちゃんのローレンもキュートで面白くて、たくさん幸せな気分にしてくれた。玉置成実ちゃんのニコラもいい子だし、工場のみんなもみんないい人だった。
キンキーが好きなのは、いわゆる「悪者」がいないところも理由のひとつ。みんな悪い人じゃない、むしろいい友人なんだよね。悪い人じゃないけど腹が立つ人はいるし分かり合えない人もいる。
「ありのままの他人を受け入れなさい」「なりなさい 自分がなりたい人に」とても簡単だけどとても難しいことだなぁと思う。でもきっと他人と交わって生きていくってそういうことだし、いちばん大事なことだろうとも思う。

初演も再演も、このキャストでやってくれて本当によかった。キャスティング班も、お仕事を受けてくれた役者たちも本当にありがとう。再再演、楽しみにしています。



2019.05.28.