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ミュージカル「スリル・ミー」2014年ペアのプレゼンをするよ

【初演から10年 唯一の音源化イヤー】

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一度は観劇していること前提の記事です。万が一未見の方がいらしたら読まないのをおすすめします。何も知らずに「スリル・ミー」を味わえる機会は人生で一度しかないんですよ!!!!!
(とは言いつつ、ネタバレ読んでから観劇したい派の方はどうぞ。でもできれば何も知らないまっさらな状態で観劇してほしい……わたしはいつだって記憶を失くしてもう一度観劇したい……)

〜今さら2014ペアのプレゼンをしている経緯〜
2021の3ペアを観ておかきのCDを買ったフォロワーさんがいれまりとまつこにのCDを買おうか悩んでいらしたのでプレゼンしました。せっかく2ペア書いたのでおかきも書いて記事にしよ!となった次第です。
なのでやっぱり「2021年観劇したけど、どのペアのCD買えばいいか分からない」「一枚買ったので追加したいけど背中を押してほしい」って感じの一度は観たことある人向けです。
観たことない方、ほんとに読みます……?ネタバレなしで「スリル・ミー」を観られる幸せ経験をしなくていいんですか……?(しつこくてまじですみません)(でもそれだけネタバレなしで観てほしいんです)

わたしはそもそも初演ペア(田代×新納、松下×柿澤)が大好きなのでペア解散&ペアシャッフル発表があったときはガチで泣いたし観劇して楽しめるのか……と不安でたまらなかった。でも結局どのペアも楽しんで観劇したので、「このペアが好きだから他ペアを楽しめるかな?」って想いの人は安心して聴いてほしいです!ぜひ自分のベスト・ペアを探してくれよな!!

【田代万里生×伊礼彼方】
まず一番の特徴としては「暴力的」なところ。当時観劇して最初の感想が「いれ彼、DV男じゃん……」だった。絶対身体中痣だらけだよいれまり私。
そして「賢いバカ」。とにかくふたりとも浅はか。他のペアは一応熟慮してその結論に至ったのだろうと思えるけれど、このペアは短絡的に行動していると感じる。行間を読まないというか。文系と理系どちらかというと体育会系というか(体育会系への偏見ですすみません)。あっそういえばいれ彼ってラグビーしてそうだと思ったの思い出した。少年漫画にいそう。しかもWJ。
いれ彼は果たしてまりお私のことが好きだったのかよく分からない。ただ利用していただけのようにも見えるんだよね。理解者には違いなかっただろうから。最後のキスが完全なる対価でやってるように見えたんですよ。キスしてやったんだから俺のために動け、みたいな……傲慢な男だな。
聴きどころとしては、にろまりの「柔」なまりお私とまったく違う「剛」のまりお私。同じ歌い手が同じ曲を歌って、相手役が違うだけでここまで違うか!と舌を巻く。これは新納さんが「柔」で、伊礼彼方が「剛」なのでそれに呼応しているのだろうけど、「スリル・ミー」ってすごいなと思わせてくれました。歌い方だけでなく芝居も全然違う。
まりお私も賢いバカ。当時友人が「まりお私はいれ彼のどこが好きなの?身体?」と言っていたのに爆笑した。そのくらいバカ。IQゴン高の筋肉バカ(いれ彼)×熱血バカ(まりお私)。
………とバカバカ連呼するのもあれなのですけど、きちんとした言葉で表現するなら直情的で情熱的。先述したけど、とても浅はか。搦手で彼を寵絡するにろまり私と、力技で押し通すいれまり私といった感じかな。
最後の「自由……自由?」の言い方がとても好きでした。「自由になる」っていう考えが全く頭になかったような。答弁しているのではなく、ただ彼のことを思い出していただけというか。
にろまり私は最後釈放されたときに彼と再会できた(とわたしは思っている)から愛に満ちたまま史実通り老いるまで生きただろうけど、いれまり私は彼への執着心から生きていそうです。


松下洸平×小西遼生
とにかく甘いペア。こに彼の声が甘すぎる。そりゃ洸平私もネコチャンになりますわ。ふたりとも共依存ずぶずぶ。ふたりの視野の狭さは松岡×山崎ペアと近いかも。
こに彼の声と態度が甘いが故に、洸平私が幼いまま成長出来ていなくてふたりでいるときは駄々っ子なのかなと思えた。少年の洸平私と青年のこに彼、くらいに印象の差がある(松柿ペアはふたりとも少年だった)。
トークショーでこにたんが「(うちのレイは)かわいいだろう?」と繰り返していただけあって洸平私は本当にかわいい。ショタいんですよ。「幼い」っていう彼の台詞は本当にそのままの意味に聞こえる。あとあざとい。絶対自分が可愛いのわかってやってるよ。「だってリチャードは可愛い僕が好きでしょ?」くらいの感覚な気がする。だから洸平私のわがままを聞いちゃうんだよこに彼は……。でもふたりとも意識して甘やかして甘やかされているんじゃなくて、幼い頃からずっと当たり前だから今も当たり前にそうしているんだと思います。無意識。
すごく愛と執着に満ちたペアで、ふたりともが幸せな瞬間が何度もあった。私の動機は一緒にいたかったというより「彼を鳥籠に閉じ込めるため」なのかなぁと思うくらいの執着心を感じます。史実では女性と結婚するけれど、「生涯愛するのは彼だけ」って言ってたのにぞくぞくしました。
あとこのペアはめちゃくちゃえっちなんです……キスシーンの吐息とリップ音がすごい……いやえっちというか性的……!こに彼の声だけで分かる気だるげな色気……サンキューセクシー!
こに彼の声は甘いし、洸平私の声は地声でしっかりとした感じなんですけど、ふたりで歌うとものすごくねっとりとした、絡みつくようなエロティシズムが纏わりつく響きになるのが不思議です。イヤホンで聴いてるといちばん恥ずかしくなってきちゃうペア。あっ性的関係結んでますね……って深く頷いちゃう感じです。えっち。


尾上松也×柿澤勇人
3ペアの中で唯一観劇していないペアなので(大阪に来なかったから……)音源から幻覚を見ているのですが、もはや観劇している気になってきました。それはガチ幻覚なんよ……。
当時のイベントでの歌唱映像やインタビュー、観劇した人の感想、あと松也本人のイメージから「くまさん」ってイメージです。おっきいテディベア……。幼少期から大きな身体で気弱だったけど、自分より小さい身体で自信に満ちている彼が憧れだったのかな〜みたいな。
54歳の松也私は生きる目的も気力もなく、でも「死んでないから生きている」わけでもなくて。なんだろうな、「きちんと生きていたら彼と再会できる」と信じていそう。というか書いてて気付いたけどいちばん「神様」を信じているのかも。
柿彼こそ「死んでないから生きている」人なんだよな。柿澤だし(?)。井の中の蛙だったので、大学に入って自分の凡人っぷりを思い知り、世界のあらゆることに絶望している。世界そのものを変えようとは思っていなくて、むしろ自分たちだけの世界に閉じこもって世界のあらゆる理不尽から自分を守っているのかな。そのパートナーに唯一対等に話ができるレイを選んだ。なんだかんだ言って安心できるのが松也私の胸だったのかもしれない。松也私はくまさんなので……。
相性がいいんだか悪いんだかいまだによく分からないふたりなんですけど、ペアとしてはめちゃくちゃ面白いなと思います。凹凸がぴったり嵌まっている感じ。悪いからこそいい、みたいな。
あと当時は松也が歌えることを知らなかったので、「かっきーのペアに!?大丈夫なん!?(歌唱力的な意味で)」ってびっくりしたのですが、ちゃんとペアとして成り立っていてまたびっくりしました。こんなに歌えるとは思わんがな。

2018-2019年公演感想

2021年公演感想