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ミュージカル「チェーザレ 破壊の創造者」スクアドラヴェルデを配信で観たよ

【圧倒的な歌唱力!歌が支える物語】


中川晃教 藤岡正明
今卓哉 丘山晴己 横山だいすけ
岡幸二郎 別所哲也
このキャスティングだけで思いませんでした?大勝利だって!間違いありません大勝利です!
主演のあっきー、コンサートで観てるのが98%で、物語の中で観てるのはSHIROHとCHESSだけかな?だから普段フェイクもりもりの好きなように歌っているのを聴いていて、デュエット相手合わせるの大変やろなぁと思ってた。そこが良くて好きなんですけど。
だから(たぶん)譜面通りにきっちり歌ってるあっきーが新鮮で……笑。それなのにあれだけ「中川晃教」の歌い方でかつチェーザレなのはさすがですね。
(あときっちりR音だけ巻き舌にしてるのさすがすぎる……)
脚本がどうしても「忙しい人のためのチェーザレ」って感じで次々に進んでしまうし、イタリア史の解説もあり、ちょっとだれてきたな〜と感じてきたら歌ですべて引き戻される感覚でした。大人組、歌がうめぇ〜!!この歌唱力なら国も統べられるでしょ……。
学生組が若手なので、大人組ももうちょっと下の年齢層の役者を配置するやり方もあったと思うんですが、この年齢層でこれだけ歌える人たちばっかり連れてきてくれたの感謝しかない……よく集まったよね……!?
この歌唱力だけでチケット代の元は取れたわ……って心底思いました。特に岡さまと藤岡さんの音圧よ。音でかいなと思って思わず音量下げちゃったもん。
だいすけお兄さんも歌のお兄さんしか知らなかったけどめちゃくちゃ威厳のある歌唱で度肝抜かれました。歌が……うめぇ……。
歌唱力で脚本に説得力を持たせる、まさにミュージカルの真髄だったんじゃないでしょうか。大人組だけでなんか作品やってくれないかなとも思いました。聴きたすぎる。
あ、はるちゃんラファエーレがギャルすぎて最高〜!!SNSのテンションもギャル。それなのに締めるところは締める芝居してるのがにくいですね……!

原作は無料公開分の5巻まで読んでから観劇しました。読めば読むほどチェーザレがあっきーなのわかる……だったし、アンジェロが大輝くんなのわかる……でした(今回は大輝くんが目当てでの観劇です)。
一幕は先述した通り「忙しい人のための」だったんですが、二幕はさすがのオギー!群像劇〜青春劇に仕上げるのが上手い〜!!ラストのチェーザレのソロで「チェーザレの青春時代のきらめきと終焉」に纏めてあるのが好きだったしオギーっぽいな〜!!と思いました。いうて在団中はショーのがよく観ていたのですけど笑。
で、チェーザレの学友たち。
正直いちばん不安だったのがケンチさんのミゲルでして。ケンチさんはLDHでいちばん顔面が好きな男としてしか認識してなくて、2020年の宮尾さんとの共通点ってダンスくらい……?(それなのにほとんど踊らないのどない!?)
喋り方も態度もえらいぶっきらぼうで、芝居が上手いかと言われるとうーんなんですけど、今回はミゲルのツンとした感じが出ていてよかったと思います。ただ歌はもうちょっと頑張ってほしかった……。
ジョバンニ閣下は原作はくまさんみたいな可愛さだったんですけど、由次郎さんの閣下はソフビみたいな可愛さだな〜って癒されてました笑。
ちょっとプレッシャーに弱くて、でもやると決めたらきっちりやる感じ。ちゃんと責任感があって自分が上に立つ人間だと自覚している人だなと。なんだかんだ頼り甲斐がある人だな。
ドラギニャッツォのしょーりくんは台詞にもある通り「たまにむかつく」がよくわかる嫌味っぽさが気持ち良かった〜!うっかりニャッツォも可愛かったんですけどそのうっかりで自分の身が危うくなってしまい……ドラギニャ〜ッツォ……(閣下のこの呼び方好き)
ロベルトの木戸くんはとても快活で、アンジェロの良き友人……だったので最期のシーンはさらに苦しくなってしまった。
フィオレンティーナ団をはじめ、学生の面々みんな、大人びていてもどこか幼いところもあり「学生」っぽくて可愛かったです。アンリとの騒動のところなんか曲も相まってドリフじゃん!って普通に笑ってしまった笑。
だからこそドラギニャッツォとロベルトの「本音」がつらく悲しく、どうしようもない歯痒さなんかが際立っていたように思います。
無料公開分では出てないところだったから素で悲鳴上げてしまった……ううぅロベルトぉ……。

お目当てだったアンジェロ役の大輝くんなんですけど。
原作でもアンジェロは狂言回しだし出番が多いのは期待してたけど、だからこそあっきーに食われないかがちょっと心配でしたが杞憂でしたね……!
名前通り天使だったし、本人のキャラクター(天然なのにしっかりしてんのか、しっかりしてるのに天然なのか)がよく合っててハマり役だったな〜!
あと元々歌も上手い人だけどポップスの歌い方じゃなくてミュージカル歌唱がめちゃくちゃ上手くなっててびっくりしました(スリルでもべったりとした地声歌唱だったので)。
歌唱力おばけの大人組や、同世代のいろんな役者と共演できて彼の経験になったの嬉しいですね。次作も楽しみです。
しかしチェーザレとアンジェロ、お互いの名前を知った直後に名前を歌うのは宝塚トップコンビの文法なんよオギー!!(めちゃくちゃ笑いました)
(メロの乗り方のせいか銀英伝の「ブルー ブルー アイスブルー その瞳の輝き♪」を思い出した)
アンジェロ、原作でも姫で天使ではあるんですけど、人間で表現されるとそれが強調されててちょっと面白かった……。

原作付きってどうしても「これ舞台化(実写化含む)した意味あるんか??」って思うこともあるけれど、今作は歌唱力おばけたちをキャスティングできたこと、学生組の青くささなんかが上手く表現できる役者が揃っていて、いい舞台化だったなと思います。
いろいろあって遠征を諦めて配信のみの観劇だったんですが、現地で観たかったなぁ。いや遠征したらよかったんですけども……。
2020年の全公演中止から、キャスト変更はありつつも2023年の上演、全公演完走ができて本当によかった!
役代わりメンバー、大輝くん以外は初見だったのですが、今後機会があれば観たい役者さんが増えたのも嬉しかったな。
面白かったな。観てよかったです!

2023.01.31. 18時(スクアドラヴェルデ / 配信)